馬油は、オレイン酸が主成分で、パルミトレイン酸と多価不飽和脂肪酸であるリノール酸とα-リノレン酸の含有量がやや多い特徴があります。
多価不飽和脂肪酸の含有量が多いにもかかわらず、抗酸化物質であるトコフェロールなどの含有量が少ないことから、総合的に酸化に対する安定性は低いと言われています。
この状況を踏まえ、化粧品においてはトコフェロールに代表される酸化防止剤を添加することで酸化安定性を向上させて使用されたりします。
特徴としては、
1.オレイン酸、リノール酸、リノレン酸が多い
2.トコフェノールの含有量が少ないので酸化しやすい。
馬油の効果・効能につきまして、具体的にどのような特徴があるのかスキンケアの観点から見てみます。
(1)浸透力の高さ
馬油の大きな特徴の一つに、浸透力が高いことがあります。馬油は、油ですので化粧水などと比べるとベットリした感じがしますが、人の皮脂に成分構成が似ていることもあり、塗ったあとはすぐに浸透して馴染みます。
(2)保湿・保温効果
人の肌において、主な保湿成分は「セラミド」です。馬油にも「馬セラミド」という成分が含まれていて、高い保湿効果があります。また油分は肌に油膜を作り、保温効果が得られると言われています。
(3)殺菌作用・抗酸化作用
油分が作った油膜によって外部からの菌の侵入を防ぐ効果があり、肌内部の酸素を押し出すことで雑菌の繁殖や細胞の酸化を防ぐ効果があると言われています。
(4)血行促進効果
馬油は塗るとすぐ肌に浸透し、肌を保温・保湿してくれます。そのことにより血行が促進されます。
(5)炎症に対する効果
馬油がよく使われているのが、火傷の治療です。火傷をしたら、馬油を塗って様子を見るという年配の方も多いと思います。
馬油がもともと民間薬として使用されていたのは、炎症を抑えてくれる効果と余分な熱を取り除いてくれる効果があるとされてたからです。
そのため、炎症が原因でなる肌トラブルにも有効と言えます。
このように、馬油にはお肌に対して様々な嬉しい効果があります。また、一般的な動物性油脂には「パルミチン酸」「ステアリン酸」などの飽和脂肪酸が多く含まれており、コレステロール等の原因になると言われています。ところが馬油には「オレイン酸」「パルミトレイン酸」「リノール酸」といった脂肪酸が60%から70%近く含まれており、それは人の脂肪酸構成バランスとよく似ているため、コレステロール等の沈着を抑制する効果も期待できます。